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オーガニック・ガーデン・マイスター講座のご案内 

2024年度第21期のマイスター講座受講生を募集します。
今回は、ZOOMによるオンライン講座を8月10日~13日で予定しています。
また、その他に埼玉県飯能市にあるJOGAの庭でのスクーリングに1日参加していただきます。日程は10月12日(土)に開催します。※雨天時は翌10月13日(日)に順延します。
 

オーガニック・ガーデン・マイスター講座とは

庭をオーガニックに管理する方法や考え方を総合的に知りたい!という方のための講座です。わたしたちは、従来の庭の考え方から、地球とつながる身近な環境保護の場としての庭へと、価値観をシフトしていくためにオーガニック・ガーデン・マイスター講座を開講しています。

 

この講座では、生態系を利用した持続可能な環境を身近な緑から作ることを学びます。個人の庭の楽しみ、共同の庭の管理、公共事業など、身近な緑をオーガニックに管理するために必要な知識・方法を利用者と管理者が共有できる方法を学べることができます。

 

講座の概要

2008年の開講以来、毎年続けてきた「オーガニック・ガーデン・マイスター講座」も15年続いています。すでに多くの修了生たちが各地で活躍しています。造園・園芸の現場で働くプロや、建築関係の会社経営者、自宅やカフェなどの庭づくりをオーガニックで実践したいという方など、さまざまな立場でオーガニック・ガーデンを目指す受講生のみなさんが、集まってくださるようになりました。
 
講座はオンラインによる4日間の集中講座です。スクーリングは、曳地トシ・義治の工房兼自宅である埼玉県飯能市の「雨音堂」です。これまでのマイスター講座修了生たちが中心となってつくっている“JOGAの庭”もあります!

講座修了後にも、JOGAマイスター会員として、オーガニック・ガーデン・マイスター会SNSを通し、楽しい交流やさまざまな質問・相談 など、オーガニック・ガーデン仲間と日常的に情報交換できるしくみになっています。

修了証書と造園事業者の紹介

全科目修了者には日本オーガニック・ガーデン協会の修了証書をお渡しします。また、農薬を使用しないで庭管理をしてくれる造園業の紹介を希望する方からの問い合わせには、オーガニック・ガーデン・マイスターを修了した方の中から造園業をされている方をご紹介します。詳細はJOGAの仲間たちをご覧ください。
 

スケジュールと内容

今回は、ZOOMによるオンライン講座を810日~13日で予定しています。
また、その他に埼玉県飯能市にあるJOGAの庭でのスクーリングに1日参加していただきます。日程は1012日を予定しています。
必ず4日間連続受講できる方を対象にしています。単発受講は不可となっております。
お申し込みは、731日まで。最少敢行人数5人。
(実施時期により、内容とスケジュールが変更になる場合があります)
各科目の内容をクリックしていただくと詳細をご覧いただけます。
 《2024年の講座の概要》期間:2024年8月10日(金・祝)~13日(月)

◆第1日 8月10日(金・祝)

【0】 オリエンテーション

   10:00 開始

 
【1】総論 (オーガニック・ガーデンから始まる持続可能な社会)
   講師:曳地義治&曳地トシ
   10:30~12:30(2時間)
    

   講師:曳地義治&曳地トシ
   14:00~16:00(2時間)

◆第2日 8月11日(土)

【3】オーガニック・ガーデンの土壌学
    講師:曳地義治&曳地トシ
   10:00~12:00(2時間)
 
【4】土壌生物と菌
   講師:伊沢正名(写真職人・糞土師)
   13:00~15:00(2時間)

 

◆第3日 8月12日(日) 

【5】オーガニック・ガーデンの視点から見た実用的な植物の特性と管理方法
   (ここでは特に雑草に関する時間を多くとっています)
   講師:曳地義治&曳地トシ(JOGA)
   10:00~12:00(2時間)
 
【6】木のメッセージを読み取る ~環境の表現者としての樹木~
   講師:岩谷美苗(樹木医・NPO法人樹木生態研究会事務局長)
   13:00~15:00(2時間)

 

◆第4日 8月13日(月)

【7】オーガニックスプレー(自然農薬)
   10:00~12:00(2時間)
   講師:曳地義治&曳地トシ
 

【8】オーガニックな庭のデザイン(使いやすい庭のデザインとは何か?の講義とまとめ)
   13:00~15:00(2時間)終了時間は参加人数にもよります
   講師:曳地義治&曳地トシ 
【9】オーガニックな庭のデザイン(使いやすい庭のデザインとは何か?の講義とまとめ)
   15:00~17:00(2時間)講評と解説
   講師:曳地義治&曳地トシ 

◆第5日 スクーリング(10月12日(土) 雨天の場合10月13日(日)
【10】JOGAの庭の見学とコミュニティ・ガーデンでの実習作業
    10:00~15:00

  修了生との交流もあります。
   講師:曳地義治&曳地トシ
 

各科目の内容

【1】総論 ~オーガニック・ガーデンからはじまる持続可能な社会~

地球規模での環境汚染や環境破壊が深刻な問題となっている今日、国際社会から個人の日常にいたるまで、人間活動のあらゆる場面における環境保全への取り組みが必須となっています。そして、取り組みの基礎となるのが、私たち一人ひとりが環境問題について正しい知識と理解を身につけることです。その実践の場として、もっとも身近な個人の庭や近隣の緑をオーガニックに管理することは、私たち自身の健康や暮らしの安全だけでなく、環境全体の保全と再生にもつながる大切なステップとなります。

総論では、自然と暮らしのつながりを学ぶ中から、オーガニックとは何かを考えていきます。さらに、総論に続く各講座がそれぞれ独立したものではなく、有機的なつながりと意味をもつよう構成されており、総体的にオーガニックの概念を捉えていただけるようにします。

   講師:曳地義治&曳地トシ
 

【2】庭から見た生物多様性 ~虫たちの生活史~

どんなに小さな庭もそこは多様な生きものたちの棲む場所であり、ワンダーランドです。オーガニックな視点で見れば、虫たちは生態系を豊かにする存在です。庭という限られた自然の生態系を理解することで、「虫一匹いない庭」がどれほど不自然でおもしろみのないものかに気づいてただけるはずです。

カブトムシやクワガタがスポットライトを浴びる一方で、なかなか注目されない庭の虫たち。だが、そんな虫たちのことを知れば知るほど、ますます庭はおもしろくなります──虫の生態や意外な一面を探るとともに、天敵の存在や環境に負荷をかけない対処の仕方を知ることができます。

   講師:曳地義治&曳地トシ
 

【3】オーガニック・ガーデンの土壌学 ~土…いのちを宿すもの~

土は単に植物を支えているだけのものではありません。植物と他の生物たちを育むための母なる大地。その大地を現代人はコンクリートで固め、命を宿す場としての土を忘れてしまっています。土本来の持つ意味とは? そこに生息するいのちとは? 基本から考え、学んでいただきます。 

   講師曳地義治&曳地トシ
 

【4】土壌生物と菌(土の中の生態系 ~腐食連鎖から見たいのちの循環)

生態系は食物連鎖(生食連鎖)という関係で説明されることが多いです。しかし、もうひとつ大事なものに、「腐食連鎖」があります。人間社会では、排せつ物を「廃棄物」としてしか見ませんが、自然界での排せつ物は他の生物たちの大切な栄養源です。動物のフンや死骸を食べ物として利用し、再び糞をして生きていくものもたくさんいます。そうして、分解して土にかえしていくのです。つまり、自然界では、すべてが無駄なく循環しているのです。それらを結び付けているのが土壌生物と菌なのです。
 
土壌生物と菌によって食物連鎖は下から上へのつながり、腐食連鎖は上から下へのつながりであり、この二つがあわさることで、循環は形づくられます。

   講師:伊沢正名
 

【5】オーガニック・ガーデンの視点から見た実用的な植物の特性と管理方法

農薬や化学肥料なしで草花や樹木とつきあっていくためには、実際的な植物の分類や生理、生態系の中での位置づけ、他の植物や生物たちとの関係、土壌とのつながりを知ることが必要です。そうして初めてオーガニックな植物との関係が動き出します。また、雑草が生態系の中でどのような役割を果たしているのかを知ることで、積極的に雑草を利用することができます。雑草は「敵」ではありません。

   講師:曳地義治&曳地トシ
 

【6】木のメッセージを読み取る ~環境の表現者としての樹木~

動物と違い、動くことができない木。だが、木も成長し、病気になることもあれば、いつかは朽ちていきます。その成長過程でさまざまなメッセージを出し、自分の今いる環境を表現している木。木を食害する虫や病原菌は、生きていくために弱い木を狙っています。特に人が住んでいるところにある木は、枝を切られたり、根本を踏まれたりして、元気がなくなっていることが多いので、病虫害にあいやすい。木は元気な時には病気にかかりにくく、傷を受けてもすぐ直せるし、病虫害にあいにくい。一方、病気や食害によって傷を
受けたり、うろをつくったりするが、生態系全体でみると必ずしも悪いことではなく、そこに他の生物がすみつき、そのことで生態系を支えていきます。木のメッセージを知ることが、自然とつきあっていくうえで必要となってきます。

   講師:岩谷美苗
 

【7】オーガニックスプレー(自然農薬)とは ~化学農薬と自然農薬のちがい~

園芸店やホームセンターの陳列棚に並ぶたくさんの殺虫剤。そのほとんどが、「不快害虫」を殺すために売られています。「不快害虫」とは、人間や植物に危害を与えないにもかかわらず、見た目が気持ち悪いというだけの虫たちのことです。だが、農薬の売られ方、散布のされ方、人体や環境に与える影響、処分の値段については案外知られていません。また、「自然素材で安心」ということで売られている薬剤にも、オーガニックとしては問題があります。

自分で手作りでき、安心して使えるオーガニックスプレーの使い方、散布方法などを学んでいただきます。

   講師:曳地義治&曳地トシ
  

【8】【9】オーガニックな庭のデザイン

オーガニック・ガーデンをつくるためには、自然環境にだけ配慮すればいいというものではありません。庭を使う人間への配慮も不可欠です。庭が使いやすければ、庭に出る回数も自然と増え、すると庭の植物たちにも目が行きとどく…という「よい循環」が始まります。

伝統に縛られず、ブームにも流されない、人と自然にとって理想的な庭とはどのようなものか。オーガニック・ガーデンづくりに欠かせない、使いやすい庭づくりの基本を学んでいただきます。

   講師:曳地義治&曳地トシ
 

【10】JOGAの庭の見学とコミュニティ・ガーデンでの実習作業

実際の庭を見ながら、使いやすい庭のデザインとは何か、の講義とまとめを行います。オーガニック・ガーデンのヒントになる事柄(コンポストボックス、レイズドベッド、雨水タンク、収納小屋、庭の虫たちなど)を見ていただきます。

   講師:曳地義治&曳地トシ

講師紹介

曵地トシ(JOGA代表理事)曵地義治(JOGA理事)

夫婦ユニットの植木屋「ひきちガーデンサービス」を主宰。個人庭を専門に、農薬を使わない病虫害対策を実践するなど、自然環境に配慮した庭づくりとメンテナンスを心がけている。本物の素材を生かし、しかも安全で使いやすい庭、バリアフリーガーデン、自然の恵みを利用した循環型の庭づくりなどを提案している。また、新聞や雑誌で連載コラムを多数執筆、セミナー・講演なども各地で精力的にこなし、いのちのにぎわいのあるオーガニック・ガーデンの普及につとめている。NPO法人日本オーガニック・ガーデン協会代表理事&理事。著書に「オーガニック・ガーデンブック」「無農薬で庭づくり」「虫といっしょに庭づくり」「雑草と楽しむ庭づくり」「二十四し節気で楽しむ庭仕事」(築地書館)ほか。
<担当講座・実習>
総論 ~オーガニック・ガーデンからはじまる持続可能な社会~
オーガニック・ガーデンの土壌学 ~土…いのちを宿すもの~
オーガニック・ガーデンの視点から見た実用的な植物の特性と管理方法
庭から見た生物多様性 ~虫たちの生活史~
オーガニックスプレー(自然農薬)とは ~化学農薬と自然農薬のちがい~(講義・実習)
オーガニックな庭のデザイン(講義・実習)
雨音堂にみる使いやすい庭のデザイン(見学)
 

伊沢正名(写真職人・糞土師)

1950年茨城県岩瀬町(現・桜川市)生まれ。高校中退後、貧乏旅行で各地の山を巡り、自然保護運動を始める。1975年よりプロカメラマンを目指し、写真活動を始める。1977年初の単行本『キノコの世界』出版。以後、キノコ・コケ・シダ・藻類・地衣類・変形菌・カビに1950年茨城県岩瀬町(現・桜川市)生まれ。高校中退後、貧乏旅行で各地の山を巡り、自然保護運動を始める。1975年よりプロカメラマンを目指し、写真活動を始める。1977年初の単行本『キノコの世界』出版。以後、キノコ・コケ・シダ・藻類・地衣類・変形菌・カビに限定し、単行本や科学雑誌などで写真を発表。1993年初の写真展『キノコ曼陀羅』を茨城県つくば美術館で開催。以後各地で写真展を開催。2000年からは野外展示も含め、覗き箱による写真展を始める。また、環境問題や人間の生き方について、ウンコを通して発言を続け、2006年には“糞土師”を名乗り「糞土研究会」設立。2006年12月11日には「野糞10000回」を達成。『くう・ねる・のぐそ~自然に「愛」のお返しを~』(山と溪谷社)ほか著書多数。
<担当講座・実習>
土の中の生態系 ~腐食連鎖から見たいのちの循環~
 
岩谷美苗(樹木医・森林インストラクター・NPO法人樹木生態研究会事務局長)
樹木医、森林インストラクター、島根県生まれ。東京学芸大学教育学部家庭科卒業後、日本環境教育学会事務局(1990~1991)、自然文化誌研究会の事務局長(1990~1997)となる。森林インストラクター第1期生(1991年度)。1998年より東京学芸大学公開講座「子どものための冒険学校」などの環境教育活動に携わる。1998年に樹木医(8期)となり、2000年に特別非営利活動法人(NPO)樹木生態研究会を設立し、樹木の調査活動を行う。子供向けの冊子『木のお医者さんになってみよう』、現代農業『木を診る木を知る』(農文協 1998年~2000年まで連載)、「図解樹木の診断と手当」2002年農文協発行 共著 趣味:きのこ、気功、洋裁

<担当講座・実習>
木のメッセージを読み取る ~環境の表現者としての樹木~

受講料

受講料

全10講座 85,000円 + テキスト代 3,500円 +消費税 8,850円
計 97,350円

*4日間連続講座のため、単発受講はできません。
 

会場

本年の講座はzoomを使用したオンライン講座となります。詳細はお問い合わせください。
見学と実習は雨音堂となります。

受講のお申込み

 

本講座についてはお問い合わせページに以下の必要事項をご記入の上、お申し込みください。
折り返し、ご連絡させていただきます。

  • 当会では、個人情報は厳重に管理し、ご記入いただきました個人情報は、本講座のためにのみ使用いたします。